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入院4日目:経食道エコー検査、手術の事前説明会 [入院・弁形成手術]

5:40頃、同室の方の一人が、点滴が抜けているのに気づいてナースコール。
しばらく人の出入りがあった。よく眠れなかったが、明日は我が身。
自分も何かあったら、同室の人の都合は考えずにナースコールを押すだろう。

朝食は食パン。袋ごと温められていて、ほこほこだった。
そう言えば昨晩読んでいた「竜馬がゆく」によると、土佐でも「ほっこりする」という地口があるようだ。
朝食の後、掃除のおばちゃん(もう70を超えているというから年齢的にはおばあちゃんと言う方が正しいのかもしれないが、あまりにも元気なのでおばちゃんとしか言えない)と少し雑談。肉体労働をする人は職場復帰が大変だが、私はデスクワークしかやらないという事で、だったらすぐ退院して復帰できる、と言ってくれた。ありがたい。

今日も昨日に続いて、シャワー室でマスキンスクラブを使って自分の体を洗浄。特に肌にも問題ない。
部屋に戻って少し眠っていたら、看護師さんが来て、明日のカテーテル検査の説明となった。
「心臓カテーテル検査計画予定表」というA3サイズの表をいただく。
色々な項目の記載があるが、当日と前後、3日間の「目標」は以下の通り。

12/9(この日)
目標:
・検査目的を知る(カテーテルを心臓に入れ、心臓の働き・血液の流れ・血液の狭窄を調べる)
・検査後安静の必要性を理解できること

12/10 検査当日
目標:
・出血、胸痛、血腫、血栓塞栓症、腰痛の合併症がない
・穿刺部の安静が保てる

12/11 検査翌日
目標:
・出血、胸痛、血腫、血栓塞栓症の合併症がない


同室の方はカテーテル処置の後、丸一日ベッドで安静にしていたが、
私はカテーテル検査だからか、帰室後1時間で歩けるという話だ。
ここで、さーちゃんに書いてもらっていた同意書を渡す。
大きな血管に管を入れて体内を調べることの、リスクについて家族も理解したという事だ。

カテーテル検査の説明の後は、続けていつもの確認事項。
・自覚症状は無いか(いつも通り無し)
・朝食はどれくらい食べたか(いつも通り全部食べた)
・お通じはあったか(いつも通りあった)

次に、入院直後から左手にささっている点滴針があるのだが、この根元の部品をカテーテル検査に向けて交換するとの事。これでカテーテル検査の時に使う点滴をすぐ接続できるという事だ。ところが根元のところがなぜか異常に固くて外れないという状態で、看護師さんがナースコールを押してハサミのような器具をもってきてもらうという事態になった。一瞬焦ったが、すぐちゃんと対応してくれたので安心。

最後に荷物チェック。昨日揃えて、名前を書いた必要物品一式を看護師さんがチェック。全て揃っており、OKが出る。歯ブラシなど、毎日使うもの以外はダッフルバッグに入れておいた。さーちゃんがある時買った、紫のダッフルバッグ。さーちゃんの買うものは滅多に無駄にならない。こんな形で使う想定はなかっただろうけど。

昼食をはさんで14時頃、経食道エコー検査のため移動。今日のメインイベントだ。
検査室の前で順番を待っていると、主治医の先生がやってきてお話をした。相変わらず元気で明るく、こちらも安心する。検査中にもまた立ち会いに来るとの事。

検査室では、先月心エコー検査をしていただいた方が担当だった。この方の検査で入院・手術が決まったので、恩人に再会した気分だった。事前説明を受け、同意書にサイン。
今日の検査は、口から検査器具を入れ、食道から心臓を検査するらしい。これまでの心エコー検査は胸からだったが、これは他の臓器が前にあるから、食道から直接心臓を見る方が精度が良い、というような話。なお、この検査の結果によりどのような手術をするか決まるという。
この時初めて、左腕にささっている点滴針を、麻酔に使うと聞いた。明日のカテーテル検査までは使わないものだと思っていた。毎回腕に針を刺さなくても、一度刺せば色々な事に使えて便利である(4日間くらいまでしか刺したままにできないという話だが)。

いよいよ検査開始。まずは喉の麻酔で、スプレーを6、7回ほど吹きつけてもらう。すぐ口中がしびれてくる。しばらくそのまま待つよう言われる。この時点でけっこうしんどい。少し待つと、液を呑み込むように言われるが、まずすぎて無理だった。必死で呑み込もうとしていると胃液が逆流しそうになったので、見るに見かねた先生がティッシュを渡してくれた。吐き出す。
いよいよベッドに横になる。左側面を下、つまり心臓を下にする。鼻に酸素のチューブを付けてもらう。口から管が入る。この管が太く、ノドに触れ、苦しい。さっきのスプレーの麻酔はこのためだったのか。すぐに、腕から麻酔が入ってきて眠った。

苦しいので目が覚める。喉に入っている管が当たって苦しい。吐き気がするわけではなく、とにかく痛い。ゲホゲホ言っていると、先生が気づいて、麻酔のチューブに手を伸ばし…次に目が覚めると、検査は終わっていた。朝からずっと担当してくれている看護師さんに、車椅子で病室に運ばれる前、検査の写真をいただいた。

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「通常より大きくへこんでいます」

という説明を一応受けたが、通常の僧帽弁を知らないので、よくわからなかった。でも記念品ができたのはいいことだ。病室に戻ったのは15時過ぎ、ちょうど1時間くらいかかった。17時までは絶飲。
そう言えば、さーちゃんの時は経食道エコー検査は手術当日にやったという話だった。本来事前にやるべき検査だが、さーちゃんの時は急ぎの対応だったらしい。

夕方から、手術の事前説明会がある。
父は16時頃に来てくれた。無料のお茶や、1Fの自販機などあると説明するが、何もいらないとの事。
しばらく話をする。主に病状と手術のことだが、さーちゃんの時の例があるので説明しやすい。
そしてさーちゃんも来てくれた。もう部屋に入ってきた時点で、足音でわかる。
しばらく3人で歓談していると、説明会の時間になり、主治医の先生とともに別室へ移動。
やがて執刀医の先生が来られたが、前回と違い、面と向かうとすごい迫力のある人である(前回の診察時は画面や書類を見ながらだったので、こちらから見て横向きの状態が多かった)。過去のさーちゃんの手術も含め、全手術を執刀している方にふさわしい雰囲気をまとっている。

まずは症状と、手術しなかった場合どうなるかの説明。前回、母を交えて伺った話と同じ内容だが、父にとっては、医師から聞くのは初めての内容。父は神妙に聞いていた。
次に、手術の方法について説明。「弁形成手術」で血液の逆流が止まらなければ、「弁置換手術」で人工弁を付けることになる。人工弁には、動物の体を使う「生体弁」と、カーボン製の「機械弁」の2種類があるが、生体弁は15年程度しか持たないため、私の年齢だと「機械弁」を付け、血栓ができないよう「ワーファリン」という薬を飲み続けることになる。しかしながら、今日の経食道エコー検査の結果から、おそらく「弁形成手術」で逆流は止まるだろう、との事。

術後から退院までの期間はリハビリ次第だが、アメリカで、術後1週間で退院した人がいるという話だ。

最後に、同意書。「この手術に伴う、術後30日間の死亡リスクは3%」と記載されている。
さーちゃんは同意のサインをしたくない事を知っていたので、父にサインを頼んだ。
3%というのは、日本中の全手術の統計で、私の年齢と健康状態であれば3%もないだろうというような話もしていただいた。

説明会が終わり、父を見送った。これからコンサートに行くらしい。定年後を満喫しているようだ。
やっとさーちゃんと二人になれたが、今日はさーちゃんは急いでいて自分の夕食を買う時間が無かった。
「心臓疾患食」を自分だけ食べると、いつもより美味しくない。やっぱり二人で同じ空間で食べるという事は特別なんだと改めて思う。

* * *
(以下、さーちゃんの日記より)

また、あっという間に19:00(面会時間終了)。 帰りにいつものお弁当屋さんで山芋サラダ、セロリのきんぴら、炊き込みご飯を買う。 家に着いてすぐにいただく。一人に慣れないといけないと思いつつ、寂しさを感じる。早く明日になってほしい。
* * *

ひとりになると、談話室でトリフローを使って呼吸の練習をした。
今日の検査では喉が痛かったが、呼吸をしても痛くはなかった。
寝る前に談話室で「孤高の人」上巻を見つけたので、「竜馬がゆく」を一旦返してこっちを借りた。
さーちゃんが入院していた時は、この本を読んでいた。あれから時間が流れ、表紙も目次のページもなくなってしまっているけれど、同じ本を今、手に取って読んでいる。



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