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入院9日目:手術2日後、冠疾患集中治療室 [入院・弁形成手術]

何度も目が覚める。いつの間にか雨は止んでいる様だ。Kちゃんは痛み止めも、もう飲み薬だけだと言っていた。大丈夫だろうか?私も(手術の後は)熱が出たせいか、雪洞を掘ってビバークする夢を見たのを思い出す。Kちゃんも熱にうなされていないことを祈る。目覚ましが鳴るまではと寝ていたら、ちょうどいい感じの時に鳴る。やはり起こされるよりは、早くても自分で起きたほうがすっきり目覚めるかもしれない。出勤する。今日も中々の寒さだ。

* * *
(以下、Kのメモと記憶より)

午前4時頃、寒いのと痛いのと、あと、別な患者さんの対応で物音がするのとで目が覚めた。ナースコールを押し、布団をもう1枚持ってきてもらい、体にかけてもらったが、結局ほとんど眠れなかった。

胸の中央に、縦に長い手術跡があり、傷に沿って長細いテープが貼られている。これが痛むのは予想通り。それより、手術の直後から喉が痛く、痰を出すように言われているがなかなか出ない。たぶん人工呼吸器が入っていた時に喉が荒れたのだと思う。眠ったほうが良いはずだが、もし眠っている間に喉に痰が詰まって息ができなくなったらと思うと、不安になる。だから眠れないのかもしれない。あお向けに寝ていると肺が重力で圧迫され、呼吸がしにくくなるというので、管のささったままのお腹を抱えるようにして横になっているが、元々横向きに寝る習慣がないので違和感がある。これも眠れない原因だろう。

今いるCCU(冠疾患集中治療室)は、病室と違って、常にある程度の電気がついている。頭の方の壁にあるモニターには、常に自分の心電図が表示されていて、何かあると看護師さんが様子を見にくる。もちろん、ナースコールもいつでも押せる。起きている方が不安は少ない。やがて朝になり、さっそく今日の処置が始まった。

まずは体中につながった管をめぐる処置。いくつかの管を抜いてもらったが、首につながっていた管が抜けたのが一番大きかった。首の管は存在感が大きく、上半身を動かす度に気になっていたから。このまま順々に管が減っていくと良かったのだが、採血検査(これもつらかった)の結果カリウム不足になっているとわかり、カリウム補充のための点滴が腕に追加された。

首の管が無くなると、次に早く無くなってほしいのはお腹から出ている3本のチューブと、2本の細いワイヤーだ。3本のチューブは直径1cmほどもあり、点滴台の下部に乗せられた「サキューム」という機械につながっている。この機械でゆっくり、体内ににじみ出している液体を吸引しているという話で、透明なタンクとチューブに、薄い赤い液体が溜まっているのが見える。看護師さんがちょくちょく、チューブをしごくようにして液体をタンクに流してくれる。
自分からすると大変な量に見えるので、看護師さんに「けっこう出てますね」と言うと、「でも、量が減ってきていますし、色もそれほど赤くないから大丈夫ですよ」との事だった。

あと、導尿カテーテル。これは便利だが、嫌なものだ。ベッドの横に、袋が設置されていて、そこに尿が自分の意思とは無関係に出て行く。体内の余分な水分を出すための利尿剤が効いていて、さらに水分も多く摂るように言われていて、麦茶飲み放題(さーちゃんの手術後は、しばらく1日60ccの厳しい水分制限があったので、これには驚いた)なので、何とも順調に溜まっていく。まだ自力でトイレに行けないから仕方ないが、早くこれも無くなってほしい。

昨日と違い、体重測定は椅子に座って測る。もう吊り下げられなくて良くなった。椅子に移動する前、ベッドから体を起こそうとすると、胸の手術跡が痛むのと体が重いのとで大変だった。どうしても自力で起きられなければ、ベッドの方を起こしてもらうのだろうが、何とかベッドの柵をつかんで身体を起こし、自力で椅子まで移動した。体重は覚えていないが、おそらく昨日と同じくらい。
レントゲン撮影は、ICUの時と同じで、大きな機械がやってきて、自分はベッドに寝たまま撮影。
1階で外来の患者さんに混じってレントゲンの順番待ちをしていたのが懐かしい。

一連の処置が終わり、朝食の時間になったが、食欲が全く無い。頑張ってりんごをかじる。味がしないが、何度か噛んで、頑張って飲み込む。喉に果汁の感触。やっと気力が出てきた。おかずに箸をつけると、驚くほど味がわからない。手術前と同じ「心臓疾患食」だが、今はもう不味いとさえ思ってしまう。
きっと、体が欲しいのは野菜でも、お粥でもないのだ。いつもよりも時間をかけて、何とか完食した。肉が無性に食べたい。

食後少し経って、昨日に続いて軽いリハビリ。担当の方に、肩や背中のマッサージを受け、深い呼吸をするお手伝いをしてもらった。昨日と同じように、ベッドの脇に座り、少し立ち、椅子に移動。椅子に座った状態で、足を上げたり下ろしたりの練習。その後、体につながっている色々なものを点滴台にまとめてもらい、歩く。今日はトイレまで歩かせてもらった。許可を得て、ひとりで個室に入り、便器に座ってみた。お通じが無かったのは残念だったが、これでいざという時は自力でトイレに行けばいいという事だ。導尿カテーテルで小用を足すのは仕方が無いし、我慢できるが、大の方を看護師さんに処理してもらうのはさすがに抵抗があったので、安心した。
ベッドに戻って線や管をつなぎ直してもらうと、リハビリは終了。明日からはリハビリ室に行けるという話だった。

昼から、また母が来てくれた。昼食はチキンのシチューで、美味しく食べられたと思うが、正直なところ12/13と12/14の記憶が曖昧で、昨日だったかもしれない。母はやはり13時の面会終了とともに帰って行った、と思う。

テレビを付けて、ニュースを見た。プーチン大統領とトランプ氏についての話に続いて、豊中市で妊婦さんが、同じマンションの同じフロアに住む男に刺殺されたというニュースをやっていた。連れていた子供さんは刺されず、助かったが、お腹の中の赤ちゃんは助からなかった。現在の法律では、胎児は被害者に数えられず、犯人は女性1人を殺害したということにしかならないらしい。
「犯人がどう裁かれても、妻は帰ってきませんから…」
ご主人がそう、インタビューに応えているのを聞いていると、涙が出てきて、胸の手術跡がひどく痛んだ。

18時頃にさーちゃんが来てくれた。元気さをアピールするため、ベッドの横に立ち、足を上げて椅子の上に乗せたりしてみた。さーちゃんは喜ぶよりも驚いて、無理しないで、と言われた。夕食を食べて話をしていると、今日もすぐに1時間が経ち、面会時間終了。昨日の洗髪や腕の洗浄で使ったタオルなど、重い洗濯物をまとめて持って帰ってもらった。昨日の分を渡し忘れていたため、すごい量になってしまったので謝った。

* * *
(以下、さーちゃんの日記より)

会社を出て、家で荷物を取り、駅に向かう。病院に着きCCUに行くと点滴がほとんど外れていて驚いた。色々とお話したり、ご飯を食べるKちゃんを見守る。まだ、たんが出きっていないようで、大変そう。咳を出すと胸の傷が痛む。知っているだけに見るのもつらい。とにかく無理をせず、ゆっくるゆっくり治して欲しい。明日は木曜日、明後日の次は土日だ。早く週末になってほしい。
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