SSブログ

入院10日目:手術3日後、病室に戻る [入院・弁形成手術]

昨日の日中はCCU(冠疾患集中治療室)で問題無く過ごせたが、消灯時間になると、また不安になった。
眠っている時に喉が詰まったら、相当苦しいだろう。ナースコールを押しても、すぐに詰まった喉を何とかしてもらえる訳ではないだろうし、などと思ってしまった。

必要なら、睡眠導入剤を出してもらえるという話だったが、薬で眠っている間に喉が詰まったらそれこそ大変な事になるのでは、とも思ってしまう。しかし眠れない状態はつらい。常に身体のどこかで痛みがあるし、何もせず横になっているだけで、今の身体ではかなり疲れるのだ。結局、何時間もベッドで悩んでいるうち、明け方近くなってやっと眠りに落ちた。2時間ほど眠って起きた時、無意識に鼻で呼吸していた事に気づいた。これなら深く眠っても大丈夫なはず。今晩こそ、すぐ眠れなかったら睡眠導入剤をもらって、たっぷり寝よう。

午前6時頃、朝食前の血糖値測定。小さな器具でバチっとやって、指先に小さな傷をつけ、わずかに血が出たところで測定。問題ない数値との事。他にも、血圧測定や体重測定などあったと思うが、覚えていない。
朝食は、久しぶりのパンだったが、やはり美味しく感じない。身体が必要としているのはこれでもないのだ。しかし頑張って完食する。

朝食後、看護師さんが導尿カテーテルを外してくれた。今後はトイレに行きたくなったらナースコールを押し、装置を点滴台につなぎ変えてもらいさえすれば、自力でトイレに行ける。カテーテルが付いている間は見る気がしなかったが、久々に自分のパンツの中を見て、かなり自由になった気分を味わった。

すぐに主治医の先生が来られ、ドレーン管を2本外しましょう、との事でベッドの上で処置が始まった。
お腹から出ている、余分な体液を吸い出しているチューブ3本のうち、2本を抜いてもらうのだが、かなり緊張した。さーちゃんの入院時には、抜く時に体内に空気が入ってしまい、丸一日絶飲絶食となった事があった。管を抜くタイミングで合図するから息を止めて下さいね、と言われ、苦しかったが必死で息を止めた。2本とも問題なく終わり、ホッとしたが、抜いた跡を縫ってもらうのがけっこう痛かった。これでお腹から出ているのは、「右胸腔ドレーン」1本と、青い「ワイヤー」2本の合計3本に減ったが、身体に力が入らなくなり、しばらく横になっていた。

「クリスマスまでに退院できたらいいですね」

主治医の先生が去り際にそう仰ったのだが、冗談にしか聞こえなかった。

10時頃、清拭(身体を拭いてきれいにしてもらう)の最中、前の病室に戻る話が出てきた。背中など拭いてもらいながら、荷物の話をした。清拭が終わるとすぐ、リハビリ担当の方が来られ、二人でいよいよリハビリ室へ。CCUを出て病室に戻る話も、エレベーターに乗ってリハビリ室に行くことも、退院が一気に近づいた気がして嬉しくてたまらない。

リハビリ室は、スポーツジムとほとんど変わらない感じだった。
入って正面のベンチに座るよう促され、座って待っていると、別の女性のスタッフの方に話しかけられた。数日前に病室に、術後リハビリの説明に来られた方だった。

「手術前に病室にお伺いした時に思ったのですが、奥様はひょっとしてー」

その通り、さーちゃんが入院していた頃、この方と毎日リハビリ室で会っていたのだ。
前回病室に来られた時、見覚えのある人だと思ったが、私の術後のリハビリの話が本題だったからその話はしなかったらしい。やっぱりそうだった、とすごく喜んでくれた。退院後もリハビリを頑張ったさーちゃんと、ふたりで白山に登った話をすると、驚いていた。

大きなモニターの下の棚に「日本百名山」のDVDがあるのに気づいた。あの時、さーちゃんが「早くまた山に登れるようになりたい」と言ったら、わざわざ放映していただいたDVDだ。ウォーキングマシンもエアロバイクも、買い替えられていなければ、さーちゃんが毎日使っていたものだ。手術室も集中治療室も、このリハビリ室も、全てさーちゃんが通った場所なのだ。そう思うと、さーちゃんがもう家までの道をつけてくれている気がした。

この日は足に1kgの重りを付けて、座ったまま足の上げ下げをした。最後にエアロバイクにまたがり、5分間だけペダルをこぐ。息は荒くなったが、数値的に問題は無かったもよう。途中で、担当の方のPHSが鳴った。転棟の準備、つまり前の病室に戻る準備ができたという連絡だった。CCUに戻り、最後にレントゲン撮影があるという事だったが、これは1Fに移動して手術前と同じように、レントゲンの装置の前に立って撮影した。もうベッドに寝た状態で撮ってもらう必要もない。

今朝「クリスマスまでに退院できたらいいですね」と主治医の先生が言ったのが、冗談ではなかったことがわかった。きっとあと10日くらいで帰れる。

昼前に、懐しい病室に戻った。前のベッドには新しい人が入っていて、別のベッドになったが、入口に近くなったからこっちの方がいいと思った。
昼食は、やはり美味しいと感じなかったが、全部食べた。

午後は、久々に日記を書いたりして過ごしていると、17時過ぎに父が来てくれた。

* * *
(以下、さーちゃんの日記より)

お義母さんからメール。元気な様子のKちゃんを見るのが嬉しいとのこと。私も嬉しいと返信。仕事が一段落した頃、携帯が鳴る。CCUの看護師長さんからだった。何かあったのかと思ったらCCUから前の病室に移るとの事。驚かせてすみませんと言っていた。電話を切った後、お義母さんにメール。

手術日に以て帰った荷物を病院に持って行く。病室に着くと名札の位置が変わっていたので、ベッドの位置も違うかもと思いながら入ると、お義父さんの顔がすぐ見えた。ドレーンが残り1本になっている。お義父さんも顔を見て安心したとおっしゃっていた。ちょっと一緒に歩いたりしていると、もう19:00。帰りにおにぎり、ハンバーグ、みそ汁、パンを買って電車に乗る。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。