127 Hours (2010) 邦題:『127時間』 [映画]
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先日、さーちゃんがとても観たがっていた映画を、一緒に観に行きました。
実はさーちゃんの誕生日に観ようかと言ってみたのですが、「いくら何でも…」というお答え。
その映画の名は“127 Hours”、邦題もそのまま『127時間』となっています。原作のタイトルは“ Between a Rock and a Hard Place”「ビットゥィーン・ア・ロック・アンド・ア・ハード・プレイス」、日本語で言う「板挟み状態」です。ところが、この慣用句を無視してあえて直訳すると『岩と硬い場所の狭間で』となりまして、実はこれが「事件」そのものなのです。
公式HP(米国):http://www.foxsearchlight.com/127hours/
公式HP(日本): http://127movie.jp/
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以下、映画のネタバレあり
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主人公の名はアーロン・ラルストン。アメリカ合衆国生まれ、大学で機械工学を専攻し、卒業後にあのインテルに入社したにもかかわらず、アウトドア活動への情熱を捨てきれず退社し、アウトドア用品店で働く傍ら、休暇を大自然の中で使う事に至上の喜びを感じている、実在の人物です。
2003年のある日、休暇を取ったアーロンは、車にマウンテンバイクを積み込んでユタ州のブルー・ジョン・キャニオンという渓谷に向かいました。渓谷の間を歩き、時には岩壁を下降して、奥深くに遺された先住民の壁画を見て帰るという計画でした。ところが、落石に右腕を挟まれて谷間に捕われることになってしまいます。
前半は、筋金入りのアウトドアマンであるアーロンが自分の状況をどのように捉え、絶望的な状況でも冷静な判断を行い、できる限りの事をして延命・脱出しようと言う展開です。
そして後半は、絶望と幻覚の極限状態の中、人生を振り返り、自分の死後を想像し、そして、脱出して命をつなぐための「決断」に至り、それを実行する展開です。
アウトドアに親しんでいる人間がどれだけの底力を発揮できるのか、という部分では、アーロンの孤独な戦いは見ていて苦しいですが、驚嘆に値します。
また、どの国の人でも、死を眼前にして思う事はやはり同じなんだなあとも考えさせられます。想い想われる家族がいるということは、幸運なことであることということも。
最初から最後まで、全く気の抜けるところがない、素晴らしい映画だと思いました。最後の「後日談」で本人の写真と近況が語られますが、感動ものです。ほんと、生き延びることができて良かった!
しかしこれは人を選ぶ映画です。さーちゃんが「誕生日には見たくない」というだけあって、後半はスプラッター映画顔負けの流血と、生々しく痛々しい描写があります。我々が映画を観終わって外に出ると、若いカップルの男の子の方が、青ざめた顔で階段に座り込んでいました。我々は原作を読んで、心構えが出来ていたからいいのですが、心の準備ができていないと苦しいかも。
その内容から、おそらく映画館でのロングランは期待できない『127時間』ですが、興味のある方は是非、映画館の大画面で観て下さい。雄大なブルー・ジョン・キャニオンの情景は画面が大きければ大きい程、見応えがありますので。
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