予感

先日、帰宅途中に傘を無くしてしまった。

おそらく勤務先の最寄り駅だと思い、翌日に電話してみたが、無いとの事。説明によると、昨日回収された落し物は、大きな駅の落し物センターに届けられているはずだという。番号を教えてもらい、かけてみたが、いくらかけても繋がらないので、直接行ってみた。

受付に着き、係の人に傘を無くした旨を告げる。

「事前にお問い合わせいただきましたか？」
「いえ、何度かお電話したんですが、繋がらなかったので」

この、最初のやり取りの後だった。

「受付番号はお持ちですか？」
「…いいえ」

嫌な予感がした。「電話がつながらなくても、受付番号はもらえるのですか？」と聞くのは嫌味だろう。この係の人がどういう人か…という話ではなく、なぜかこの瞬間に自分の傘は見つからない予感がしてしまった。

そして、無くしたと思われる駅と、路線の名前を伝える。傘の特徴を尋ねられたので、色などを説明する。そして探しに行ってもらったが、やはり、無いという事だった。

仕方がないのであきらめて帰った。理屈で言うと、誰に探してもらっても結果は同じはずなのだが、なぜかそんな気がしないのであった。