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ひょうたんの種出し [園芸・DIY]

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今日は、ゴム手袋を買ってきた。このまえ収穫して水に漬けたヒョウタンの箱を、開く日が来たのである。

水を張り、きっちり閉じられたクーラーボックスの中に沈むヒョウタンの内部では、果肉が腐り、空洞になっているはずだ。今日の仕事は、そのヒョウタンの中の腐った果汁を捨て、水を張り替えることである。

しかし一つだけ注意しなければならない事がある。それは、臭いだ。


「すごい臭い」

「かなりの激臭」

「近所迷惑になる」

「超くせー」


多くの愛瓢家が多種多様な表現で、「くさい」と強調するヒョウタンの腐臭。しかし人生何事も経験! やってみるしかない!!



三週間ぶりにクーラーボックスのふたを開けた。
水面は、厚い膜が張り、ドブの水のように暗く濁っている。
勇気を出し、少しだけ、鼻孔に空気を入れる。
臭う。かすかに、腐ったような臭いが…

この程度か。
この程度の腐臭で、このおれが怯むとでも思ったか。
お前は、子供の頃に登って遊んだ牛糞の山の、足元にも及ばない。
何が激臭だ。
何が近所迷惑だ。

ヒョウタンを沈めるための重石を、ゴム手袋越しにつかみ、持ち上げる。
それを適当なところに置き、重石の下にあった網を水の中から引き上げた。
厚い膜が、べろっとくっついてきた。
そしてヒョウタンが浮かんで

あれ?
何だこれは。

なぜ、景色が移り変わったのだ。
横の草むらに、腐った膜をくっつけた網がばさっと落ちた。
このおれが、放ったのだ。
おれは、クーラーボックスに背を向け、庭に入り込んでいた。
足が、止まらない。
おれは、逃げていた。

これは、何だ。
これは、臭いだ。

くさい。

そうだ。
だが、そんな次元を超越した臭いだ。

くさい。

そうだ。
だが、その中でも超弩級の臭いだ。

超くせー。

そうだ。
そう言うと何だか憎めない感じだが、実際の臭いは、悪そのものだ。




疲れた…
これほどまでにくさいとは…
人生何事も経験と言うが、これは経験しないほうがよかっただろう。
もはやヒョウタン作りより、悪臭の元を排除する目的で、作業を進める筆者であった。

ヒョウタンをたらいに移し、すでに多少の臭いのする、生ゴミ捨て場に持ってきた。ここにヒョウタンの中の汁を捨てる。生ゴミの臭いで多少は悪臭が緩和されている、気がする。気をつけて、鼻で呼吸しないようにする。

一つ一つ、小枝を差し込んだりしながら、中の種と汁を出す。体に汁がつかないよう細心の注意を払う。体にこれがついたら、家に入れなくなるだろう。

気のせいか、さっきまで沢山いた蚊がいなくなった気がする。まさかな…

これを17個分もやるのは無理だと思ったが、中にはうまく出来ておらず、皮がぶよぶよになっているヒョウタンが目立った。ちょっと強く押すと、ぐじゅっという音を立てて割れてしまう。これが半数といったところか。

ふと、父が様子を見に来た。そして、「くさっ!」と言って帰っていった。

中身を出したヒョウタンは、皮をむく。表面の薄皮は、ぺろりと綺麗にむけるが、これまた腐っており、ひどい臭いがする。手で皮をむいたら、先ほどのたらいに水を張り、亀の子タワシで表面をきれいにする。見事につるりとした、硬いヒョウタンがお目見えだ。それにしても、くさい。

何とか10個ほど、きれいに出来たヒョウタンを、再びクーラーボックスに戻す。今度は、洗剤を混ぜた水に漬けるのだ。一週間後にはあの臭いもしなくなっていることを祈ろう。

細心の注意を払って母に、一応終了報告すると、お風呂が沸いているから入れという。ひょっとして、家の中からでもくさかったのか。

ゴム手袋と一緒に買ってきた、新しいボディソープの香りを熱心にかぎつつ、湯船に入ってこう思った。自分もひょうたんも、一皮むけたな、と。

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