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平和という夢 [日記・雑感]

いろいろ考えていたら眠れなくなってしまった。

現在夜の3時過ぎ。ベッドにスージーを残してひとり出てきて、コタツとMacの電源を同時に入れた。

昨日の午後にあった、韓国と北朝鮮の砲撃戦のその後が気になっているばかりではない。
あのあと、しばらくはLinuxの開発者リーナス・トーヴァルズの本を読んだり、職業訓練で習った事の復習をしたりしていて、その間は良かったのだけれど、ベッドに入ると不安がふくらんできた。

Macの電源を落とす前に、CNNのHPを見たのが悪かった。

韓国と北朝鮮の砲撃戦のニュースは、CNN.comのトップページを飾っていた。日本人がどう思っていようとも、少なくともアメリカでは異常事態、大ニュースとして扱われている。

そして、他の特集記事に、アイルランドの経済危機の記事があった。大昔とはいえ、一年以上もアイルランドに住んでいた者としてはどうしても気になってしまう。クリックすると、段ボール紙を片手で持ち、雨の中、首相官邸の前に立っている男性の写真が拡大された。段ボール紙には、マジックでこう書かれていた。

“COWEN, my son is 12, you put him in debt, and his children who are not born yet”
(COWEN、私の息子は12歳だ。お前は息子に借金を背負わせた。そして、そのまだ生まれていない子供達にまで)

文脈と場所からしてコーウェンというのが今の首相の名前なのだろう。調べてみるとすぐわかった。ブライアン・コーウェン、2008年5月7日より首相。2004年9月29日から首相就任までの間、財務大臣を努めていたが、失策があったらしく、批判を受けている。その他メディアでもこき下ろされているようだ。財務大臣、そして首相ときて、今の財政危機の責任を追求されるのは自然なことだろう。

自分がアイルランドに居た2000年頃はバブルの最盛期だったが、貧しい人々はその頃にも大勢いたと思う。不謹慎かもしれないが、写真の男性の不幸そうな眼差しを見て、そういう人々を思い出した。留学生や難民など、明らかに外国人とわかる人々に嫌がらせを仕掛ける人々は、往々にして貧しそうな人々だった。不幸な顔をしていた。

2000年の統計では、アイルランドのダブリンに住む黒人(主にナイジェリアからの難民)の90%以上が「アイルランド人から人種差別を受けた」経験があると答えたらしい。筆者の個人的な考えだが、当時ダブリンに居たアジア人留学生に同じアンケートをしても、同様の結果になっただろう。当時、バブルに乗れなかった貧困層に攻撃されたのは外国人だった。今回の金融危機で景気が悪くなり、失業者が増え始めると、また同じ事になりそうで怖い。まだダブリンに居るみんなは大丈夫だろうか?

などと考えながらベッドに入って、眠れるわけがなかった。

スーちゃんがいつものように、ゴロゴロ言いながらベッドに乗ってきたのも、悪い意味にしかとらえられなかった。この平和な時がいつまで続くのか? と思ってしまったからだ。

結婚相手も決まり(日付はまだ決まっていないものの)、東京から戻って、毎日会えるようになった。家族と一緒に暮らすのも、なつかしくていい。完璧な日々だったが…ひょっとすると、近いうちに、終わってしまうのではないだろうか。

そんなことはないはずだと、断言できるほど楽天的な人間であればよかったのだが。

Macに保存された写真をみると、1999年の夏、沖縄で撮った写真が出てきた。「日韓青少年交流キャンプ」に2度目に参加した時の写真だ、「シッチャガワ・ヒマゲサンジン」と副題が付いていたはず。「十字架は、平和の印」という意味だったはずだ。 

思えばキリスト教徒でもないのにキリスト教系の大学に進み、キリスト教徒の親友に誘われ、キリスト教のキャンプに参加したのは不思議な出来事だった。楽しい事ばかりではなかったが、人生観が180度変わった。沖縄戦で朝鮮人の犠牲者が多く出たことなど、この集まりに行っていなければ知る由もなかっただろう。あのときみんなで歌った歌は、今でも覚えている。


オソソ オソソ(きませきませ)
ピョンファへーイムグン(平和の王)
ウリガハムン(ひとつのからだに)
イルゲハソソ(してください)


平和というものがどれだけ貴重ですばらしいものか、普通の人々はみな、わかっているはずだ。金持ちがさらに金儲けをするために、もしくは権力者がさらに権力を得るために、無垢な命同士に殺し合いをさせるようなことは、みんな嫌なはずだ。

失われて初めて、あの時代は良かったと、やっと気付くようなもの。
平和というものは、そんなものであってはならない。

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