『ラモーナ』を読みはじめたが… [読書]
風邪ひいたので、今週末は家の中でのんびりしてようと思いました。
そこでもちろんこれの出番です。
以前に入手できたという記事を書いたアメリカ小説『ラモーナ』(邦訳版)です。なにせ600ページにわたる人種差別と苦難の物語ですから、「一気呵成に読み終わる→自分の時間を作って、精神的ダメージを回復させる」というセッションが必要なはずですから(わたしとしては)。
さてと、ワクワク…
おや?
すべてを掌握していたのはセニョーラだけだった。セニョーラ・ゴンザーガ・モレノは彼女と同世代の人々を見渡しても聡明さにかけては群を抜いていた。(1頁より)
ゴンザーガ、ときましたか。
スペインから移民してきた名家の女主人の名字のひとつですが(スペインでは名字が2つあります)、これはスペイン語圏ではよくある名前です。綴りはGonzagaで、スペイン語の発音に準拠すれば「ゴンサガ」になるはず。なにせ、スペイン語には促音も、「ザ」の音もありませんから。
…なるほど、舞台であるアメリカの、英語風の発音を採用したわけですかね。
おっと、こんな些細なことに拘泥するのはやめやめ、物語をば…
お、おやっ!?
羊毛刈りをめぐって彼女と羊飼い頭のワン・カニートとの間で何度か話し合いがもたれてきた。ワン・カニートは牧夫頭のワン・ホセと区別して短くワン・カンと呼ばれている。(3頁より)
わ ん ?
まさかねえ、と思いました。
まさか、Juan(フアン)などという、滅茶苦茶よくある名前に「ワン」という誤った読みを当てるわけがない。なるほど、きっと舞台がカリフォルニアで、メキシコに近いから、メキシコ特有の名前を持った人々が出てくるのですね。チワワだって現地語では「Chihuahua」と綴られているし。スペインにはない名前ですが、きっとHuanという名前なのでしょう。
…と一瞬思ったのですが気になりすぎて進めなかったので調べてみると…
↑右下の隅に注目(Ramona映画版のキャストより)
やっぱり JUAN = フアン じゃないですか。
筆者の体験から、スペイン系の人の発音を実際に聞いてみるとどう聞いても「フアン」です。
それを差し置いても、日本ではDon Juanを『ドン・ファン』と訳してきた伝統があります。それにあえて逆らってJuanを「ワン」と訳したとは、まさか思えません。
スペイン語名の表記の問題。これを些細なこととして読み進められればいいのですが、筆者にはできませんでした。どうしてもスペイン語、及び、スペイン風の習慣や伝統がちゃんと翻訳されているか、あら探しをしてしまいそうで…
その後は別な本を読んでいました。また元気になって時間ができたら、ちゃんと読みたいと思います。
そこでもちろんこれの出番です。
以前に入手できたという記事を書いたアメリカ小説『ラモーナ』(邦訳版)です。なにせ600ページにわたる人種差別と苦難の物語ですから、「一気呵成に読み終わる→自分の時間を作って、精神的ダメージを回復させる」というセッションが必要なはずですから(わたしとしては)。
さてと、ワクワク…
おや?
すべてを掌握していたのはセニョーラだけだった。セニョーラ・ゴンザーガ・モレノは彼女と同世代の人々を見渡しても聡明さにかけては群を抜いていた。(1頁より)
ゴンザーガ、ときましたか。
スペインから移民してきた名家の女主人の名字のひとつですが(スペインでは名字が2つあります)、これはスペイン語圏ではよくある名前です。綴りはGonzagaで、スペイン語の発音に準拠すれば「ゴンサガ」になるはず。なにせ、スペイン語には促音も、「ザ」の音もありませんから。
…なるほど、舞台であるアメリカの、英語風の発音を採用したわけですかね。
おっと、こんな些細なことに拘泥するのはやめやめ、物語をば…
お、おやっ!?
羊毛刈りをめぐって彼女と羊飼い頭のワン・カニートとの間で何度か話し合いがもたれてきた。ワン・カニートは牧夫頭のワン・ホセと区別して短くワン・カンと呼ばれている。(3頁より)
わ ん ?
まさかねえ、と思いました。
まさか、Juan(フアン)などという、滅茶苦茶よくある名前に「ワン」という誤った読みを当てるわけがない。なるほど、きっと舞台がカリフォルニアで、メキシコに近いから、メキシコ特有の名前を持った人々が出てくるのですね。チワワだって現地語では「Chihuahua」と綴られているし。スペインにはない名前ですが、きっとHuanという名前なのでしょう。
…と一瞬思ったのですが気になりすぎて進めなかったので調べてみると…
↑右下の隅に注目(Ramona映画版のキャストより)
やっぱり JUAN = フアン じゃないですか。
筆者の体験から、スペイン系の人の発音を実際に聞いてみるとどう聞いても「フアン」です。
それを差し置いても、日本ではDon Juanを『ドン・ファン』と訳してきた伝統があります。それにあえて逆らってJuanを「ワン」と訳したとは、まさか思えません。
スペイン語名の表記の問題。これを些細なこととして読み進められればいいのですが、筆者にはできませんでした。どうしてもスペイン語、及び、スペイン風の習慣や伝統がちゃんと翻訳されているか、あら探しをしてしまいそうで…
その後は別な本を読んでいました。また元気になって時間ができたら、ちゃんと読みたいと思います。
> ワン
こりゃ笑える。
ワン・・・訳者が犬好きだったとか。ま、ひいき目に見ての話ですけど。
私、固有名詞がヘンなカタカナになってると、ムカっとしてしまう人間でして・・・。
ちょっと前に会社でAndre Arbusという、フランス人のアーチストの紹介文を校正してたら、「アンドレ・アーバス」になってて、思わず仏文科卒の友人にメールで読み方を聞いた上で、しっかり赤線を入れさせていただきました。
答え: アンドレ・アルビュスだよん!
by Reika (2010-11-29 22:19)
>>Reikaさん
おかしいですよね? JUANがワンって…今時、アメリカ文学やる人はスペイン語もある程度は馴染みがないと…少なくともアメリカに住んでたら絶対馴染みができるはずだし。
ちなみにもう2、3ページ進んだらCapitanが「キャピタン」になってました。ヨセミテ公園のエル・カピタン岩を知らんのか! って思いましたね。今後はツッコミどころ一覧表を作りながら読破したいと思います。
Arbusさん、聞いた事がないですが、フランス人ならアーバスではないですね、とりあえず。同じ人が訳したらHenriがヘンリー、Antoineがアントインとかにされそうで怖いですね、ってさすがにそこまでいかないか(汗)
それにしても最近、何でも英語読みが蔓延してる気がします。昔の日本人はフランス語やドイツ語の素養ももっとあったと思いますが…余談ですが以前、「ラヴィ」を「Love it」だと思ってる人がいました。La vie=人生だって。
by 管理人K(3X歳) (2010-11-30 00:16)