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WC2010 ブラジル沈没、ガーナvsウルグアイは死闘 [日記・雑感]

すごいものを見てしまいました。

昨晩はブラジルvsオランダの前半戦、ブラジルが華麗に1-0で勝っているところで寝る事にしました。オランダも強いチームなのに、ブラジルの動きは幻想的というか、なんというか、流麗でオランダにつけいる隙を与えません。やっぱりブラジルの方が一枚上かあ、と思って勝利を確信して寝ていると、しばらくして事件発生。

「どぉこ行ったんやああ!」
「それ掃除用なんやから壊さんといてよ!」

家に野良猫(通称サバ夫くん)が侵入して、夜行性の父と妹が大騒ぎ。午前2時くらいだったでしょうか。猫を追い出すために父が何かを持ち出して(たぶんモップ)、騒ぎが15〜20分くらい続いたのではないかと思います。実はとっくの昔に出ていっていたらしいですが。

まあそれはそうと変な所で起こされたので、そのあと眠りに落ちるも、3時過ぎにまた覚醒。今度は眠れません。仕方なくネットを見ていると、ブラジルがオランダに負けたとのこと。驚きました。まさかあの動きで負けるとは…

世界各国のユーザーがFIFAのサイトに寄せたコメントにざっと目を通してみると、後半はだいたいこんな感じだったようです。

・ブラジルは動きが悪くなった
・オランダは後半もいい動きだった
・ブラジルはオランダの選手を踏みつけてひとり退場
・ブラジルは2点を失ってから動きが良くなったが、時すでに遅し

結果、1-2でオランダが勝ち、準決勝に進みました!
全部見てれば良かった…

で、その時見たのが進行中のガーナvsウルグアイ。

華麗なカウンターを得意とするウルグアイが勝つだろうと思っていたのですが、なんとスコアは前半終わってガーナが1−0でリード。そして、ネットで試合展開とか読んでる間に1-1に並びました。これはもう見るしか!

ものすごい試合でした。ガーナもウルグアイも、もうファウルなど気にせず相手を止めに行きます。ウルグアイはやはり上手なのですが、ガーナは粘り強く、またここぞというところで攻め、一進一退の攻防。後半は1-1で終わり、延長戦に突入しました。

延長の前半15分は、全体的に見てガーナ優勢です。ウルグアイも頑張ってはいるのですが、攻め込み、チャンスを作るガーナを水際でなんとか食い止めるという展開が多めでした。ウルグアイはもう疲労が目に見えておびただしく、ミスが目立つようになってきました。ガーナもミスはするものの、ウルグアイよりは力が残っているようです。

前後半90分で、ガーナが「延長戦になった場合」を意識して体力を温存しようとしていたわけではないでしょう。そんなプレイでは、延長戦にすらたどりつけずに負けてしまうでしょうから。きっと、この無尽蔵のスタミナがアフリカ選手の強さなのでしょう。しかし、前半15分は両者無得点、延長後半に突入します。

TVカメラがウルグアイのサポーターを追っているときに、二人の中年の男性が、満面の笑顔をカメラに向けました。「ウルグアイは絶対に勝つ」という気持ちの現れなのでしょうか。それとも、「なんて面白い試合なんだ」という意味でしょうか。日本とパラグアイの延長戦を悲愴な顔で見つめていた筆者としては、衝撃でした。

ウルグアイ人は笑顔の素敵な人々です。昔留学時代に3人ほど友人がいましたが、随分と親切にしてもらいました。今頃きっと3人とも、この試合を見ているでしょう。

* * *

後半の15分はまさに死闘。死闘以外の何者でもありません。

やはりガーナが何度か攻め込みますが、ウルグアイは全員、全力で守ってゴールを許しません。しかしウルグアイには攻める余力がほとんどないようで、チャンスがほとんど生まれない。もう後半15分が過ぎ、いよいよPK戦に入ろうというところでした。ガーナがウルグアイのゴール前で主導権を握ったのです。

大乱戦となりました。最後のチャンスをものにしたいガーナ、ロスタイム残り1分を守り切ってPKに持ち込みたいウルグアイ。ほぼ全員が入り乱れる中、ガーナがシュート! これをウルグアイが体で止めるも、ボールはまだ混乱の中で生きている模様。もう誰が誰か全然わかりません。混乱の中、ガーナの選手が頭で押し込もうとしたボールはキーパーの後ろに飛び、立ちはだかるウルグアイの選手の頭上を越えてゴール!

…のはずだったのですが……

なんとこの、ガーナの勝ち点であったはずのヘディングシュートを、ウルグアイの若きエース、スアレスが両手で叩き落としたのです。

偶然ではなく、明らかに意図して両手を使いました。試合はホイッスルで中断、スアレスには当然、レッドカードが出されます。スアレスは、ユニフォームの裾で顔を覆って泣きながら退場してゆきました。この反則がなかったら完全に決まっていたはずのガーナのヘディングシュートでしたが、これでガーナのPKとなりました。時にもう後半16分過ぎ。PKを蹴り終わった瞬間にタイムアップとなるでしょう。

PKを蹴るのはガーナのエース、ギャン。ガーナがこれを入れて決勝進出か。ギャンの鋭いシュート。このシュートはGKの頭上を抜きますが、なんとクロスバーに弾かれて入らず! ウルグアイのGKのムスレラ、歓声の中、恍惚とした表情でクロスバーを見上げ、拳に口づけをして、頭上に掲げました。届くものならば、直接クロスバーにキスしていたでしょう。

不思議な予感がします。本来終わっているはずの試合が終わらない。あのあり得ないハンドの反則によって、運命の流れが変わったような。

問題のシーン(Yahoo! スポーツ)

PK戦ではウルグアイ、ガーナがまず2本ずつ取ります。次いでウルグアイが3本目もゴール。しかしガーナの3本目は、GKに防がれて入らず。悔しがるガーナ選手に、日本-パラグアイ戦でPKを外してしまった駒野の姿を見たのはわたしだけではなかったでしょう。

ウルグアイは4本目を外しますが、ガーナも4本目を止められます。いよいよ運命の5本目。ウルグアイはセバスチャン・アブレウ。この選手、どことなく宗教画のイエスのような風貌で、しかも背番号は「13」。まるでこの試合に決着をつけるために、最初からここに配置されることが決まっていたかのような…というのは筆者の思い込みに過ぎないのですが。

そしてアブレウはフェイントでガーナのGKをあらぬ方向に跳ばせ、スピードの遅いボールをゴールネットに軽く沈めました。ウルグアイがガーナを破りベスト4、準決勝進出を決めました。

それにしてもスアレス。ゴールに入るはずのボールを手で防ぐという、この上ないルール違反。選手としての名声もプライドも何もかもかなぐり捨てるようにして、ほとんど失いつつあった勝利をものにしました。運命をねじ曲げるような、文字通りの豪腕プレイでした。

テレビに映っていたウルグアイのおじさん達も、筆者のウルグアイ人の友人達も、その他全世界のウルグアイ人も、笑顔を爆発させていたでしょう。勝利の代償にレッドカードを受けたスアレスは次の試合を逃しますが、みんなきっとこう言うでしょう。

「準決勝は出れないけど、決勝には出れるから大丈夫さ!」

ガーナは本当に残念でした。しかし、反則がなければ勝利してベスト4に残っていたという事実が、今後のガーナのサッカーをを支える力になることを祈っております。

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