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入院初日 [入院・弁形成手術]

7:30ごろ目覚ましが鳴るが、さーちゃんにくっついて寝続ける。
スヌーズが鳴って(たぶん1回目)やっと起床。
朝は絶飲絶食。水コップ1杯くらいならOKと「入院案内」に書いてあったので、コップ半分くらい飲む。

入院用の荷物を詰めたダッフルバッグと、いつも通勤に使っているカバンを持って、さーちゃんに駅まで送ってもらう。途中で出会った近所の方々にご挨拶。早く退院できればいいねと皆が言って下さる。
さーちゃんは仕事があるので、駅の改札でお別れ。プラットフォームで少し泣いてしまった。

9時頃、病院着。
記入済の書類各種を受付に提出。
また、入院時の預り金5万円を支払う。預り証を、退院時の精算で使うので重要との事である。
病室は5F。希望したとおり3人部屋だが、他にもう1人しかいない。空きベッドが1つ。
部屋はけっこう広々して、明るい感じ。居心地は良さそうだ。
確かさーちゃんも同じような部屋に入院していた。あれはこの階だっただろうか?

10時頃、荷解きをしていると担当の看護師さんがやってきて、入院・検査の案内をしてくれた。
早速、トイレで尿検査。戻ると続けて身長・体重測定。173.5cm、69.7kgだった。
次は別のフロアに移動し、一連の検査を受けた。
・採血検査(小さな容器7本)
・心電図
・レントゲン
・頭部CTスキャン

11時頃には5Fの病室に戻ることができた。少し休む。
しかし11時半にはまた別のフロアへ、頸部エコー検査のため移動。
この検査、喉に器具をグリグリされるので苦しい。しかも、重要な検査らしく、かなり入念に長い時間をかけてやってもらった。

疲れて病室に戻ったのは12:20頃。昼食が置かれていた。
・中華そば
・キュウリ等の酢の物
・ナスや大根などの和え物
・鶏のからあげ
・キャベツ千切り
※ご飯は無し

いわゆる病院食だが、正式名称は「心臓疾患食」というらしい。
薄味だが、今日初めての食事ということもあり、美味しくいただく。

13:30からまた別の階へ、「入院時栄養指導」を受けに移動。
小さな部屋に、今日入院した人が合計10人ほど集まり、指導を受ける。
我々、心臓疾患のある患者は、1日にとっていい塩分は6gまで。「心臓疾患食」はそれに合わせて作られているとの事だ。
また、理想的な体重(最も病気になりにくい体重)は、

「身長×身長×22」 

なので、私の場合、

1.735 x 1.735 x 22 = 約66kg となり、4キロ程減らすのが望ましいというわけである。
あの食事なら、入院しているうちにそれくらいは痩せそうだが。
栄養指導は1時間ほどで終了。部屋に帰って少し休む。

15時頃、担当の看護師さんがやって来て、「入院診療計画書」なるものの説明を受ける。
重要な事柄は以下の通り。

・病名は、重症僧帽弁閉鎖不全症
・推定入院期間は、4週間
・12/10にカテーテル検査を行う(家族立会い要)
・12/12に手術を行う(同意書へのサイン、及び家族立会い要)

一連の説明の後、「術前オリエンテーション」という資料をいただき、熟読。
ほとんど、さーちゃんが入院した時と同じなのでよくわかる。
少し経って、看護師さんが見慣れない器具を持ってきてくれた。
「トリフロー」という、肺のトレーニング器具らしい。
吸い口に口をつけて息を吸い込むと、内部のボールが浮かぶ。
この浮いた状態をできるだけ長く維持できるようになるのが目的らしい。
手術後は肺の機能が低下し、痰を吐き出すのも難しくなるので、ということだ。
1日30回を目安、という事だったので、朝・昼・晩に10回ずつやろうかと思う。

16:30頃、主治医の先生が来られる。若くて元気な男性。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓のゆるんだ腱を切除し、弁がちゃんと機能するような形につなぎ合わせる「弁形成術」で処置するというような話を伺う。母の友人が受けた「人工弁置換」に比べて色々と有利らしいが、できる・できないは今の時点では判断できないとの事。来週月曜の手術までの検査で、追い追い分かっていくそうだ。
これで今日の検査や説明は全て終了。日記を書き始める。
ノートをさーちゃんと私が1冊ずつ持ち、手元にある方のノートに日記を書く。
会ったときに交換し、相手の日記を読んで、続きに自分の日記を書く。
交換日記である。

18:00頃、さーちゃんが仕事を終えて面会にきてくれた。
やっと会えた。
一緒に夕食(私は病院食、さーちゃんは持ち込み)を食べる。
すごく幸せな時間。あっという間に面会終了の19時になり、さーちゃんを病院の玄関まで送っていく。
さーちゃんの入院時とは立場が入れ替わって、不思議だ。
病室に戻って、早速さーちゃんの今日の日記を読む。

* * *

朝、Kちゃんを送ってから会社に行き、いつものようにお仕事。 ◯◯さんが「だんなさん体調どう?」と聞くので、 今日から入院、来週月曜手術と伝えるとびっくりしていた。 ヤクルトのお姉さんに、今年はもういいと理由を話すと (注:さーちゃんは会社に来るヤクルトの人から、私の飲む分を買って持って帰ってきてくれる) だんなさんにもよろしくお伝え下さいと言ってくれた。 普段なにげなく接している人々がこんなに他人の事を思いやってくれる良い世の中だとさとる。

少しお昼寝。睡眠不足だがなかなか寝つけず、しばらくすると広い広い家の中に1人でポツンといる。 途中の展開が思い出せないが、夫とデートして話したり、いつものように「愛してる」と何度も言いながら、体に触れていると、「これは夢だね。だって今日入院したもん」と私が言う。夫が「そうかな?」と笑ってくれた所で目が覚めてしまった。触れている時は本当に現実かと思うほどの感覚だった。脳は色々な事を覚え、私は本当に深層心理からKちゃんの事が好きでたまらないからこんな夢を30分足らずの睡眠で見るのだろう。。。

* * *

涙が止まらない。こんなにも自分のことを愛してくれているのに、自分はくだらない事ばかり書いて渡してしまった。
ここでさーちゃんが入院してから何年も経ち、まさかこんなふうになるなんて。寂しいだろう、不安だろう。もう今日はハグもしてあげられない。明日の朝も昼も。ひどく無力に感じる。
後で、談話室から電話した。何を話したかはよく覚えていないが、さーちゃんはいつも通り優しかった。
消灯前に、「トリフロー」で呼吸の練習をする。一日も早く、さーちゃんのところに戻らないと。
移動中、ふとフリースのポケットを探ると、さーちゃんの手袋の片方が出てきた。
この前、自分が手袋を忘れた日、片方だけ借りてそのままになっていたみたいだ。
片方の手袋を握りしめると、さーちゃんがここにいてくれているようで、嬉しさが湧き上がってきた。

肺機能練習器(トリフローII) T717301 /0-9573-01

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  • メディア: ヘルスケア&ケア用品



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