無限コーヒー

夕方に妻と近所のスーパーに行った。

コーヒーがそろそろ切れそうだったので、売り場に行き、いつもの豆の袋を手に取る。備え付けのハサミで開封し、豆をミルに投入。空になった袋を構え、スイッチを入れる。すぐに、モーターの回る音と豆の砕ける音が響いてくる。そして芳香。たまらないひと時である。

（ウィーン
　ガリガリガリガリ）

…

（ウィーン
　ガリガリガリガリ）

…

（ウィーン
　ガリガリガリガリ）

長いっ！
長すぎやしないか!?
もう袋いっぱいになりそうなんだが…

機械を一度止めて、袋の底をトントンと叩くと、粉は下に沈み、ある程度の余裕は出来た。さあ、フィニッシュだ。

（ウィーン
　ガリガリガリガリ）

…

（ウィーン
　ガリガリガリガリ）


いやいやいやいやいや おかしいだろ、これ。

なんで投入した豆をはるかに超える量のコーヒーが出てくるんだ…
どうやら、前に使った人が、豆を機械の中に大量に残したまま去っていったらしい。
驚いたが、どうやら得したようだ。ありえないくらいパンパンになった袋を、備え付けのセロテープで止め、買い物かごに入れた。

機械に残っていた豆が、売り場で一番安いのでなかった事を、祈るばかりである。


↑超パンパン