コメディ番組「QI」での被爆者の扱いについてのBBCの謝罪
英国のBBC放送が2010年12月に放送した「QI」(Quite Interesting)というコメディ番組で、広島で被爆した3日後に長崎でも被爆した二重被爆者の山口彊さんが「The unluckiest man in the world」(世界一不運な男)として紹介され、会場は笑いに包まれた…と日本のメディアは報道しています。
番組を見ていた人がロンドンの日本大使館に連絡し、大使館がBBCに抗議。1月21日頃から日本のメディアによる報道が始まって、今日23日にはYou Tubeなど、すでにあちこちに飛び火しています。
(↓報道後、You Tubeに沢山投稿されたニュースのひとつ)
筆者が見たところ、一番激しい論争が繰り広げられているのはYou TubeにBBCが載せている当該番組のコメント欄。今日の昼過ぎには2800件くらいだったコメントが今見ると3384件に。もちろん日本とイギリス人だけでなく、北米や南米など、他国のユーザーからも幅広い内容のコメントが寄せられています。
ちなみにこちら↓がそのクリップですが、BBCが動画を削除していないのが驚きです。
(「本気で反省していないのでは?」という指摘もありますが、筆者は、証拠隠滅に走らず、議論の場を存続させているところが良いと思っております)
翌日追記:そう思ってたら一晩の後に「非公開動画」にされ、見られなくなりました。本サイトの動画も配信停止の模様。
コメントをざっと見たところ(とても全部読めませんが)、下記のようなコメントが多く見受けられました。
◆擁護派
・英語とイングリッシュ・ユーモアのネイティヴ以外だとわかりづらいだろうが、決して侮辱ではない
・笑いの対象は被爆者に対してではなく、イギリスの電車についてである
(山口さんは広島で被爆後、長崎に電車で移動したが、イギリスの電車はとてもそんな状況では動かないだろうという話になり、出演者達がイギリスの駅のモノマネを始める)
◆反対派
・イギリスの電車ネタ以外にもジョークがある(原爆が山口さんの頭に当たった、等)
・コメディ番組で被爆者を取り上げる事自体が不適切
・スタジオの雰囲気、出演者の服装(アロハシャツ)が不愉快
ところが本題の番組内容から外れた、「日本はアジアでの戦争責任を果たしていないじゃないか」「イギリス人は有色人種を同じ人間だと思ってないだろう」のようなコメントも頻繁に書き込まれ、延焼の様相を見せております。この事件がきっかけで、普段わだかまっていたものが噴出しているかのような。
当のBBCは1/22の夜、23:22(グリニッジ標準時)に自社サイトに謝罪の記事を掲載しました。
(大意:今回の話題が日本人視聴者にとってデリケートなものであり、この番組の中で紹介することが不適切だと思われたこと、理解いたしました)
尚、謝罪文はBBCと番組制作担当のTalkback Thames社が共同で出したとの事です。
同じくイギリスの「ガーディアン」紙のHPの記事によると、番組の司会者スティーヴン・フライは今日ツイッターで "I'm coming to Japan the week after next as it happens, and I'll certainly let my regret known (if they let me in!)" 「再来週に日本に行って、すまない気持ちであることを伝えたい(入国さえさせてくれれば!)」とコメントしたそうです。
それにしても、「外国人にわからない、英国人独特のユーモア」でものを語るのであれば、自国のことだけにして欲しかったですね。他国の歴史的な惨禍について「外国人にはわからないユーモア」を交えて語るなど、不適切以外の何物でもありません。ましてや、山口さんのご遺族がインタビューで仰っているように、イギリスは核保有国ではありませんか。
BBCと番組側は公式に謝罪しましたが、日本の視聴者からすると、番組打ち切りが妥当ではないでしょうか。日本大使館がapology acceptedと言うか言わないかはさておいて、英国世論と日本世論からしばらく目が離せません。
(追記)
1/25 前原誠司外相が「怒りと不快感を持った」とコメント(→参考記事)
1/27 長崎市が山口さんの記録映画をBBCに放送要求へ(→参考記事)
番組を見ていた人がロンドンの日本大使館に連絡し、大使館がBBCに抗議。1月21日頃から日本のメディアによる報道が始まって、今日23日にはYou Tubeなど、すでにあちこちに飛び火しています。
(↓報道後、You Tubeに沢山投稿されたニュースのひとつ)
筆者が見たところ、一番激しい論争が繰り広げられているのはYou TubeにBBCが載せている当該番組のコメント欄。今日の昼過ぎには2800件くらいだったコメントが今見ると3384件に。もちろん日本とイギリス人だけでなく、北米や南米など、他国のユーザーからも幅広い内容のコメントが寄せられています。
ちなみにこちら↓がそのクリップですが、BBCが動画を削除していないのが驚きです。
(「本気で反省していないのでは?」という指摘もありますが、筆者は、証拠隠滅に走らず、議論の場を存続させているところが良いと思っております)
翌日追記:そう思ってたら一晩の後に「非公開動画」にされ、見られなくなりました。本サイトの動画も配信停止の模様。
コメントをざっと見たところ(とても全部読めませんが)、下記のようなコメントが多く見受けられました。
◆擁護派
・英語とイングリッシュ・ユーモアのネイティヴ以外だとわかりづらいだろうが、決して侮辱ではない
・笑いの対象は被爆者に対してではなく、イギリスの電車についてである
(山口さんは広島で被爆後、長崎に電車で移動したが、イギリスの電車はとてもそんな状況では動かないだろうという話になり、出演者達がイギリスの駅のモノマネを始める)
◆反対派
・イギリスの電車ネタ以外にもジョークがある(原爆が山口さんの頭に当たった、等)
・コメディ番組で被爆者を取り上げる事自体が不適切
・スタジオの雰囲気、出演者の服装(アロハシャツ)が不愉快
ところが本題の番組内容から外れた、「日本はアジアでの戦争責任を果たしていないじゃないか」「イギリス人は有色人種を同じ人間だと思ってないだろう」のようなコメントも頻繁に書き込まれ、延焼の様相を見せております。この事件がきっかけで、普段わだかまっていたものが噴出しているかのような。
当のBBCは1/22の夜、23:22(グリニッジ標準時)に自社サイトに謝罪の記事を掲載しました。
(大意:今回の話題が日本人視聴者にとってデリケートなものであり、この番組の中で紹介することが不適切だと思われたこと、理解いたしました)
尚、謝罪文はBBCと番組制作担当のTalkback Thames社が共同で出したとの事です。
同じくイギリスの「ガーディアン」紙のHPの記事によると、番組の司会者スティーヴン・フライは今日ツイッターで "I'm coming to Japan the week after next as it happens, and I'll certainly let my regret known (if they let me in!)" 「再来週に日本に行って、すまない気持ちであることを伝えたい(入国さえさせてくれれば!)」とコメントしたそうです。
それにしても、「外国人にわからない、英国人独特のユーモア」でものを語るのであれば、自国のことだけにして欲しかったですね。他国の歴史的な惨禍について「外国人にはわからないユーモア」を交えて語るなど、不適切以外の何物でもありません。ましてや、山口さんのご遺族がインタビューで仰っているように、イギリスは核保有国ではありませんか。
BBCと番組側は公式に謝罪しましたが、日本の視聴者からすると、番組打ち切りが妥当ではないでしょうか。日本大使館がapology acceptedと言うか言わないかはさておいて、英国世論と日本世論からしばらく目が離せません。
(追記)
1/25 前原誠司外相が「怒りと不快感を持った」とコメント(→参考記事)
1/27 長崎市が山口さんの記録映画をBBCに放送要求へ(→参考記事)
2011-01-23 23:48
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