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The Fish of Maui - ニュージーランドの国づくり神話 [読書]

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ナオミとデヴィッドのお土産には、母宛の絵本が3冊ありました。
全てニュージーランドの国づくりの神話の主人公、マウイを主人公としたものです。
恥ずかしながらニュージーランドに3年も住んでいたのに、これらの絵本の存在を知りませんでした。

ハワイ神話では「マウイ神が太陽を捕らえ、島々を釣り上げた」とされていますが、こちらマオリ神話のマウイは多少異なっているようです。

著者は全てPeter Gossage, 出版元はPuffin Books(Penguin Booksグループ)となっています。

"How Maui Found his Mother"(1975)
「いかにマウイが母親を見つけたか」はマウイの誕生と成長の物語。誕生したばかりのマウイは未熟児と見なされ、母親(タランガの女神)の髪にくるまれ、海に流されます。しかし生き延びて漂着した海岸で助けられ、成長し、母に会うために旅をするという物語。

"How Maui Found his Father and the Magic Jawbone"(1980)
「いかにマウイが父親と魔法の顎骨を見つけたか」はマウイの成長物語。母親を探し当てたマウイは、父親もきっとどこかに居るはずだと考え、知恵と魔法を駆使して探し当て、対面を果たします。そして、祖父からは「魔力の宿った下アゴの骨」を手に入れます。これが、次の物語で使われる釣り針です。

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↑マウイの釣り針をモチーフにしたペンダントトップ。顎の骨ではなくグリーンストーンですが

The Fish of Maui(1981)
「マウイの魚」はいよいよ、ニュージーランドの国づくりの話。マウイの4人の兄たちは、マウイが全てにおいて誰よりも優れているために嫉妬し、マウイを置き去りにして漁に出ようとしますが、見破られ、マウイ主導ではるか遠い海に連れて来られます。

一昼夜もかけて遠い遠い海に連れてこられた兄たちは、マウイに釣りの餌を渡すことを拒否します。するとマウイは自分で自分の顔を殴って血を出し、その血を「魔法の顎骨」に塗って、海に投じます。

ところが「魔法の顎骨」で出来た釣り針は、海底に潜む、何か巨大なものの背中に付いていたテコテコ(彫像)に引っかかりました。マウイは渾身の力で、巨大な存在を引き上げようとしました。

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(全身全霊で釣り針を引くマウイ。瞳に渦が現れている)

マウイはカラキア(祝詞のようなもの)を唱えて巨大な存在を諌め、引き上げようとしますが、巨大な存在は怒り、海は煮えたぎって荒れ狂います。しかしマウイの意思の力が勝ち、ついに巨大な魚が海面に姿を現しました。

魔法の顎骨を取り戻すため、マウイは海に潜りますが、その隙に4人の兄たちは魚の背中に降り立ち、肉を切り取りました。おかげでマウイが戻った時には、なだらかだった魚の背は荒れた山と谷ばかりになってしまいました。これがニュージーランドの北島になったのでした。

この本では書かれていませんが、ニュージーランドの南島は、マウイが乗ってきたカヌーであるとされています。マウイ達は巨大な神々だったというわけですね。

背表紙には次の物語が"How Maui Slowed the Sun"(いかにマウイが太陽の運行を遅らせたか)であることが書かれていますが、これはなんとYou Tubeにマオリ語朗読付きでアップロードされていました。
探してみるものですね。


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