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祝いのカバン [お仕事]

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ちょっと昔の話をしよう。

上の写真に写っているのは、東京にいた時に入手した筆者のカバンである。某有名ブランドのロゴが入っており、新品・箱付きで、勤務先のチャリティ・オークションに出品されたのだ。ちなみに出品者は役員の方であった。

「それでは100円からいきましょう!」

と司会進行役の方から声がかかったので、筆者はとりあえず

「200円!」

と言ってみた。どうせ何万円という値段に上がるだろうから、合いの手を入れただけのつもりだったのである。すると、

「200円、ハイ他の方いませんか、いませんね。では200円で落札!」

と簡単に決着し、参加者一同からは拍手で迎えられた。

筆者が当惑したのは言うまでもない。誰でも知っているような有名ブランドのカバンであり、しかも役員の方の出品とあれば、これはもう、お愛想で数万円くらい出す人がいて当然のはずだ。

まさか、開くと「Kさん、あなたを解雇します」という手紙が入っているのでは?


などという幻想に一瞬、囚われたが、そんな事はなかった。中を開く前に、もう理由はわかった。オークションの後、秘書の方が箱に入ったカバンを持ってきてくれて、こう言ったのである。


「ホント、よくできてますよね」


本来フランスのブランドなのだが、役員の方が、韓国出張の際に入手したという話であった。

「儲かりましたよ。普通、200円ではカバンは買えませんからね」

それが筆者の返答であり、率直な気持ちであった。

そんなこんなで押し付けられた、というか入手したのだが、東京では仕事用のノートPCが入らないので使っていなかった。大阪に帰って再就職活動を始め、やっと使うようになった。1年半にわたって「フフフ、本物にしか見えまい」と心のなかでほくそ笑みながら使っていたが、高級品に見えるので万が一盗まれては困ると思い、今日、新しいカバンを買った。少しの間だったけど、お疲れ様でした。

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なお、その際にこんな妄想が頭に湧いた。

高級品と思って筆者のカバンを盗んだ男が、質屋に持って行くと、「あんさん、これパチモンでっせ」と言われる。

「そうなのか? いや、きっと安く買い叩こうとしてるに違いない」と思った男は、仕方なく自分で使うことにする。「フフフ…高級品を持つって案外気分がいいもんだな。」

しかし、留め金のはまりの甘さなどから、どうやら質屋の方が正しいと気づく。しかしもう愛着が湧いていた。「フフフ…高級品としか思えまい。意外と使い勝手もいいし。」

ところが、本物の高級品と勘違いされ、別な男に盗まれてしまう。そしてその盗んだ男は、質屋に行く。そして最初に戻る。





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