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さらば東京! 駒込三丁目よ永遠に [東京]



日曜の朝。シャワーを浴び、シャワーカーテンをいったん外に干し、部屋のカーテンはもう箱に詰める。植物も箱に詰める。GFとふたりで、その他もろもろのものをすべて入れる。そして9時になり、引越しの業者さんがやってきた。たった二人でこの分量を? と思ったが、実際には先に部屋に入ってきた人が(名札によるとリーダーらしい)ものすごくてきぱきと片付けてしまい、もう一人の人はあまり出番がないようだった。

業者さんの箱に入りきらないものが多々あり、それぞれ大きな袋に入れたり、結束バンドで縛ったり、紙で巻いてその上から縛ったりしていたのだが、それらも箱を器用に組み合わせて、全部アート引越センターの荷物とわかるようにしてもらった。不謹慎かもしれないが、「できるかな」のテーマが頭の中を流れていた。

ベッドもテーブルもコタツも解体して梱包してもらい、また、コートなどハンガーにかかっていたものはそれ専用のハンガーの付いたキャリーに載せかえて持って行ってもらった。荷物の数は実に、51個。見積もりの人が「50個くらい」と言っていたがほとんどぴったりだ。すべての荷物が運び出されたのは10:40ごろ、作業時間は2時間弱で収まってしまった。さすがはこれを職業にしているだけのことはある、と素直に感心した。

準備が終わり、念のため様子を見に来てくれたエリンギ(妹)と合流し、遅めのモーニングを食べに行った。行き先は昨日に引き続いて「ボンガトウ」である。

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「東京のモーニングセットはパンが薄いのでは」と警戒するGFだったが、「ボンガトウ」のパンは実に分厚かった。4枚切りであろう。そして昨日も思ったが、ここのコーヒーは美味い。また、コーヒーに入れるミルクもかなり美味い。さすがケーキが主体の店だ。名前が「ボンガトウ」でなかったら、「洋菓子コーナーのある喫茶店」だと思ってしまうくらいである。その洋菓子部分をチェックするためか、GFはアーモンドサブレを購入した。

* * *

そして泣く子も0.1瞬で泣き止むであろう「トロンコーニ」。実は筆者とGFでここのスタンプカードを満タンにしており、今日は景品の「特製ケーキ」をいただくことになっているのだ。駒込のラストを飾るにふさわしいケーキであること間違いなし。

「すみません、こちらは3日前までにご予約いただかないと・・・」

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目論見が叶わなかったので、普通のケーキを食べる我々。しかしこれが普通でなく美味い! 特製ケーキだったらいったいどうなってしまうんだ!? と気もそぞろだったが、スタンプの貯まったカードはエリンギに托して店を出た。

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最後に不動産管理会社の人に鍵を返すため、部屋に戻る我々。がらんとした部屋が目に飛び込むと、あの日の事が思い起こされる。あの日、初めて部屋を見に来た時。そして、初めて鍵を使って部屋に入った時。1年と7ヶ月前。

部屋のチェックはほどなく終わり、重大な(=敷金から代金を引かれるような)故障等はなし。クリーニング代を差し引いた敷金の残りが帰ってくるとのこと。いつのまにかできていた、床の小さな穴に気づかれなくて良かった。

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駒込駅で新幹線の乗車券だけ買って、それで東京駅まで乗る。ついでにGFのSUICAを返却する。エリンギも一緒に東京駅までついてきてもらい、軽食の際に筆者のビックカメラSUICAの残高を全部使う。しょうもないことだが、さっぱりした。しばらく語らって、「のぞみ」の指定席券を買い、エリンギと別れた。GFはさみしそうにしていた。実家でまたすぐにでも、3人で会いたいものだ。お互い就職がんばろうぜ、と言おうと思ったが「就職がんばれ」だけにしておいた。

「のぞみ」の中で、さっきGFが買ってくれたアーモンドサブレをかじっていると、いよいよ出発時間となった。品川方面、左側の席からは普段見慣れないビル郡が見えている。見慣れた風景は反対側か、と思った瞬間に、何の前ぶれもなく涙があふれ出した。それはどういうことなのか、頭の中でさえ言葉にして言えないものであったけれども、胸がきゅっとする感じを受けながら、頭の中に風景と名前とが次々と浮かんできた。駒込、六義園、二八そばの小松庵。巣鴨、西友、地蔵通り商店街とその近くの体育館。六本木一丁目の元職場、その裏のサントリーホールと二匹の猫達。高尾山、井の頭公園、ジブリ美術館・・・

絶対平気だと思っていたのに、涙はゆっくりとしかしとめどなく出てきた。心配したGFが涙を拭いてくれるのだが、それでも止まらない。やっとのことで、バックパックの中にバスタオルがあるから、と泣きながら軽口を叩く事ができた。それにしても、慣れ親しんだ場所を離れるのがこんなに悲しいとは不思議だ。思えばみんなの顔は思い浮かばない。人間だったら、生きている限り、どこへでも出かけて会う事ができるからだろう。

品川を出て、新横浜の手前くらいまで来ると落ち着いた。隣には彼女がいる。新幹線は故郷大阪へ向う。そのことが、今まであった哀しみをどんどん押しのけてふくれあがってくる。そうだ、長い一人旅は終わったけれど、これからは二人の旅が始まるのだ。東京で二人で過ごした時間は限られたものだったけれども、いい思い出が沢山出来たから、また二人で遊びに来よう。東京へ、そしてもちろん、駒込へ。
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コメント 6

ボン

Kちゃん、さーちゃんお疲れ様
お手伝いしてくれた皆さんも、お疲れ様でした!

そして、これからも宜しくっ
今頃はきっと、二人でネツ・・・・(ёΘё)
by ボン (2010-03-01 21:44) 

Reika

あ、あ、・・・ついに帰っちゃったかぁ・・・
また遊びに来てくださいね。
仕事のためではなく、100%遊び目的だと、また見る目も変わるでしょう。
お疲れ様でした!
駒込の情報をいろいろありがとうございました。
今度はまたKさんの視点からの関西情報をお待ちしてます。
(ところで、今年の秋に間違いなく関西行き決定!その前にも行くかもです。)
by Reika (2010-03-02 00:38) 

KaoriNG

落ち着きましたか?今頃は、もうご実家だと思いますが。

やはり、住み慣れた場所を離れるのは、寂しいものですね。でも、一人じゃなくて、ちゃんと隣にこれから一緒に歩んでいく人がいるんですよね。

引越しお疲れ様でした。引越しは嫌いだといいつつ、カナダに引っ越してから何度移動したことか。。。別の街への引越しは、更に大変ですね。

久し振りの地元での生活、そして、彼女との将来のある素敵な生活、これからも応援してます!!
by KaoriNG (2010-03-02 04:25) 

管理人K(3X歳)

>>ボンさん
ありがとうございます。
さーちゃんともども、今後ともよろしくです~。

これからは二人でネツネツどころかネツネツネツネツ(以下略)
by 管理人K(3X歳) (2010-03-02 17:49) 

管理人K(3X歳)

>>Reikaさん
こちらこそ駒込情報をいろいろいただき、お世話になりました。
もちろん、また行きますよ~。今度行く時は二人でホテルメッツ駒込に泊まろうかなんて具体的な話もしたりしています。
関西に来られるんですか? 機会があればいいですね~。
今後ともよろしくです。
by 管理人K(3X歳) (2010-03-02 17:53) 

管理人K(3X歳)

>>Kaorinさん
どうもどうも。今実家二日目です。
引越しはお金がかかったものの、何から何まで丁寧にやってもらってさすが日本! というところでした。

庭もあって落ち着くし、家族はもちろんヘクター&スージーにも癒されてます。昨晩はヘクターがわたしのベッドのド真ん中で熟睡していて自分の場所を確保するのが大変でしたが、それもまたよし。

明日、東京から荷物が着きます。開梱と整理が大変そうですが、頑張ります。こちらもそちらを応援してますよ~。今後ともよろしくお願いしますね~。
by 管理人K(3X歳) (2010-03-02 17:59) 

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