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Fit For Life (1985) :『フィット・フォー・ライフ』ナチュラルハイジーンのすすめ [読書]

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昨晩、ようやく読み終わりました。
『フィット・フォー・ライフ』(ハーヴィー&マリリン・ダイアモンド著)は1985年に出版された米国のロングセラーで、「ナチュラル・ハイジーン」という食習慣の導入により健康になる方法が詳細に記されています。この日本語版(2006)は去年読んだ『ベジィ・ステディ・ゴー!』という隔月のベジタリアン誌で紹介されていたので買ってみました。

で、読み始めてみるとどの項目も斬新な考え方が載っていて(20年以上も前の本だというのに)興味深かったです。有名な本なので、ネットでさらっと検索するだけでも色々な意見が出ていることがわかります。色々なトピックの中で、特に大きな論争の種となっているのは、このへん。

<フィット・フォー・ライフ著者たちの主張>
・肉、魚、牛乳などは基本的に食べなくてもよい。カルシウム、たんぱく質は他の食品から十分に摂取できる。
・たんぱく質と炭水化物を同時に食べると消化不良の原因となる。たんぱく質と野菜、もしくは炭水化物と野菜という組み合わせで食べること。

このへん、「非科学的」と言われてしまえばそれまででしょう。Amazon.comのレビューでも色々とコメントがついています。特に言われているのが、「たんぱく質を取らなかったため痩せ過ぎた」というもの。

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(↑Amazon.comのユーザー評価。批判もあるが全体的にかなり高い)

しかし、そのへんはもっと詳しいサイトや文献、方式等にゆずるとして、ここでは筆者が感銘を受けた点を紹介しましょう。

まずは、ビタミン剤等のサプリメントよりも生の野菜や果物、フレッシュジュースの方が体に与える恩恵は遥かに大きいということ。他の場所でも、サプリのビタミン等はなぜか生のそれと違って人体に吸収されにくいというような話をちらほら聞き、どうしてだろうと思っていたのですが、この本では以下のように説明されています。

「現在では先端技術によって、どの科学成分も合成することができ、小麦粉も実験室で作り上げることができる。しかし、これを地面に埋めても発芽することはない。一方、4000年前の墓から取り出した小麦粒を地面に埋めると、芽が出てくるのだ。 つまり、合成された小麦にはある一つの成分が微妙に欠けているのだ。それは「生命力」といわれるものである。人工サプリメントも同様で、この「生命力」を生む成分が、合成ビタミンやミネラルには決定的に欠けているのだ」(p.273より)

Amazon.comのレビューやWikipediaでは「非科学的」とされることが多いこの本ですが、この主張にはうなずかされました。「生命力って何だよ、科学的に分析してみろよ」という批判をされても仕方がありませんが、わたしはこれ、当たってると思います。

あと、他にもう一つ興味を引かれた部分があります。それは、普通の人だったら一日の大半は仕事をしているという事実が、きっちり織り込まれていること。そして、仕事と同時に「消化」を行うのはダブルで重労働だというアイデアです。

食べた物をちゃんと消化できるかどうかというのは、健康のために重要な要素であり、だから寝る前の飲食とかはどのダイエット・健康本でも勧められていません。この本でも、なるべく午後8時より前に夕食を済ませるべきとされています。しかしながら、それだけではありません。『フィット・フォー・ライフ』では「消化&仕事」で体を疲弊させないよう、朝食と昼食は軽めに食べることが勧められています。もっと具体的に言うと、下記のようになります。

【朝】果物
【昼】炭水化物+野菜
【夕】肉、魚、乳製品+野菜
 (p.317-318より)

上記は筆者がかなり略してしまいましたが、「朝は消化しやすいもの(フルーツ)のみ食べる」「肉など、消化が大変なものは仕事が終わってから食べる」という趣旨です。著者たちは肉は食べない方がいいとしていますが、禁止ではなく、「できれば」という感じですので。

筆者はこの部分を読んでから時おり自分で実験をしていましたが、まず朝フルーツはいい感じです。朝にバナナとミカン、それに野菜ジュースかフルーツジュースだけで朝食とし、出勤すると中々体が軽くていい感じです。そして 準備と片付けが楽 なのがひそかなポイント。これだとコップ一つ洗えばいいだけですから、出勤前のけだるい朝にはバッチリです。でもミカンがない時期はちょっと困りますね。リンゴなんかだと準備・後片付け・食べるのにそれぞれけっこう時間がかかりますから。なお、休みの日は消化に使える時間もエネルギーも余分にあるはずなので全然別なもの食べてます。今日はGFに教えてもらったチョコバナナトーストでした[手(チョキ)]


ところが昼は炭水化物と野菜、夜はたんぱく質と野菜という部分になると、残念ながら普段はそれほど自分の食べるものをコントロールできていないのが実情です。週5日、40~50時間も働いてると、昼食も夕食も自分で作るって大変ですから・・・。

そんなわけで、かなりとりとめのない記事になってしまいましたが、興味のある方は是非一読を。なお最後のあたりにはレシピのページがあり、楽しい感じです。しかしながら、第五部「日本の読者の皆さんに」と題された日本語版の特別ページでは、日本人の日々の栄養の摂取量が表になっていまして、米国・中国に比べてかなり見劣りします。これで長寿国家なのはちょっと不思議。

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(↑左上:ビタミンC摂取量 、右上:鉄摂取量
  左下:食物繊維摂取量、右下:カルシウム摂取量。
棒グラフは左から米国人、中国人、そして日本人の順)

ところで、この記事を書いている間に、「えべっさん」に行っているGFからこんなメールをもらいました。


「唐揚げ、フライドポテト、肉巻きおにぎり、おでん、イカヤキ(姿&げそ)、串 カツ、どて煮込み、とんぺい焼き、焼きそば、鯛焼き、スープぎょうざ、チョコ バナナ、ミルクせんべいなどなど(忘れた…)食べて死にそう」


彼女が寝てる間に全部ちゃんと消化できることを心から祈るとともに、やはり彼女には自分がいなくてはいけない(一人で食べ過ぎないように)と思った筆者でした。なお、上記のメールの後「ベビーカステラ思い出した」というメールももらったことを追記しておきましょう。



フィット・フォー・ライフ ——健康長寿には「不滅の原則」があった!

フィット・フォー・ライフ ——健康長寿には「不滅の原則」があった!

  • 作者: ハーヴィー・ダイアモンド
  • 出版社/メーカー: グスコー出版
  • 発売日: 2006/04/08
  • メディア: 単行本



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コメント 4

Reika

この本、おもしろそうですね~。買ってみようかなぁ。
ワタシも長年、絶対にムリだと思いながら、Vegetarian wanna-beです。
まぁ、何の意識もせず食べるより、なるべく野菜を食べようと意識することはいいことだと思うので・・・(^^);

> サプリメントよりも生の野菜や果物、フレッシュジュースの方が体に与える恩恵は遥かに大きい

そりゃそうでしょう。
ところで、昔アメリカに住んでたころ、短期留学で来ていた日本人の子がホームステイ先を変えてもらう交渉をしていたのを思い出しました。なんでもステイ先が一切野菜・果物を食べないで、ビタミンや繊維は全部サプリという家だったそうで耐えられなくなったらしい。でもたまにこういうヘンなアメリカ人がアメリカの田舎には住んでます。(料理は肉とパンだけ・・・だったらしい。)

【朝】果物
【昼】炭水化物+野菜
【夕】肉、魚、乳製品+野菜

へぇ、意外。なんとなく昼はガッツリ、夜はアッサリだと思ってたんで。
でもちょっと実験してみる価値はあるかも。
でもこういう”実験”ができるのって、一人暮らしのうちですよ~。家族(同居人)がいると、なかなか初志貫徹できないもんです。
by Reika (2010-01-12 22:23) 

管理人K(3X歳)

>>Reikaさん
色々ツッコミどころもありますが、面白い一冊でした。
わたしもVancouverにいた頃はsemi-vegetarianでしたよ。向こうのほうがやりやすかったです。日本だと外食すれば肉は避けられないですからね・・・

アメリカはホームステイ先にも色々ありそうですね。栄養はサプリで数字を合わせていればいいから、好きなものだけ食べるってとこですかねえ。まだ健康でいらっしゃればいいのですが・・・

わたしのホームステイはアイルランドとイギリスだったから、ホストの食事はだいたい似通ってました。のべ5つの家庭にお邪魔しましたが、往々にして食事はこんな感じでした。

[朝]シリアル、トースト、コーヒー
[昼]サンドイッチ、果物、おやつ(ポテチ系)
[夕]オーブンで焼いた肉、ゆでた野菜、ジャガイモ料理一品

この本を読んでる時に気付いたのですが、昼が軽くて夜がガッツリですね。そう言えば、午後は空腹気味でけっこう勉強に集中できたのですが、夜はすぐ眠くなってましたわ。当たってるかも(野菜の消費量はともかく・・・)

こんなことできるのは一人暮らしのうちだけ、ですか。まあそうでしょうねえ。でも彼女にごはん作ってもらえるようになったら、実験する気もなくなって何でも全部美味しく食べるでしょう(笑)
by 管理人K(3X歳) (2010-01-13 00:12) 

Reika

今朝、何気なくNHKを見ていたら、こんなのやってました。

「ゆるベジ」
「ゆるくベジライフ」のことで、外では肉や魚を多く食べても、家では野菜中心の食卓を心がけようというものです。
http://www.nhk.or.jp/hot/2010/01/18.html

> 日本だと外食すれば肉は避けられないですからね・・・
You are right!

だから「ゆるベジ」は、外では肉・魚入りのメニューを食べざるを得ないから、家ではベジのみ(ベジ中心)ってことらしいです。
現実的な対処法ですね。努力してみようかなと思ってます。
by Reika (2010-01-18 22:02) 

管理人K(3X歳)

>>Reikaさん
おお〜、そんな番組が天下のNHKで!
レシピの「やさいおかずの素」が面白いですね。
今度作ってブログのネタにしたいものです(笑)

「ゆるベジ」から国産野菜の需要が高まり、願わくば食料自給率がもっと上がってほしい・・・とか想像ふくらむ話題ですね(わたしだけかもしれませんが)情報ありがとうございました。

by 管理人K(3X歳) (2010-01-19 00:07) 

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